CONTENTS

8期 飯田健司の東松島レポート

2011.06.30.

みなさん、こんにちは。第8期の飯田健司です。

先日、東京都大田区主催の被災地支援ボランティアに参加し、宮城県東松島市(石巻市の隣)に6月19日(日)から3泊4日で活動してきました。

ゴールデンウィーク以降、ボランティアへの参加者が減ってきていると聞き、自分も何か参加出来ないかと探していたところ、住んでいる大田区がホームページでボラン
ティアを募集しているのを見つけ参加しました。

今回は大田区の第4次募集で、参加者21名(女性5名)。大学生から71才まで幅広い面々が集まりました。

まずは一日目。早朝、大田区役所からバスで東松島市に直行。お昼頃現地に着くと、テレビで見たままの壊滅的な状況が飛び込んで来ました。そこは太平洋に面する下沼という集落でした。4両編成の列車もいまだに放置。間もなく作業現場の新東名地区に着くと、早速作業開始。ここでは、東松島市のボランティアと大田区のボランティアが合同で活動をし、地元住民からニーズを受け付けて、ボランティアを派遣する形を取っていました。

1班5人ずつで作業依頼場所へ移動。近くの庭先に行くと倒れたフェンスの上に瓦礫や日用品が泥まみれで山積み。掘ると中からクリスマスツリーの飾りやアルバムが。いきなり流された思い出と遭遇・・・。みんなで力を合わせた結果、なんとか2時間で作業完了。

二日目。午前は家の庭に積もったヘドロの除去作業。午後は側溝の泥出し。3ヶ月もたつと、ヘドロも乾いて悪臭はしないが、とにかく力仕事。ああ、腰にくる・・・。しかし、よく見ると全ての側溝が泥で埋まっている。一度、夕立のような強い雨に見舞われましたが、側溝の奥が詰まっているため、すぐに道路は水浸しになります。

三日目。この日は営業再開を目指す理髪店の床はがしと床下の泥出し。すでに内壁ははがされ、中は空っぽ。そこから釘で固定された床板をバールでバキバキはがし、まるで解体屋さん。そして、また泥出し。でも5人で一気にやれば、一日で作業終了。

家主の奥さんも「何日かかるかわからない」と途方に暮れていたところ、一日で終わったのには大変驚かれていました。ちょうどこの日、目の前で電柱を立てる工事をしていました。電柱が倒され、なくなっていたのです。

最終日。この日も同じ理髪店で、高圧洗浄機を使って家の中と外壁を水洗い。柱と床の張りから塩の臭いが取れないのでここまでしないと、再び家を使うことが出来ないのです。びしょぬれになってしまいましたが、この日の最高気温は32℃。無事に終わった充実感でいっぱいでした。少々大変な作業でも大勢で力を合わせれば、以外と早く作業が終わるということをあらためて感じた次第であります。

最後に家主の奥さんが深々と頭を下げてお礼の言葉をいただいたのが、とても心を打たれました。自分としては半分楽しみながら、ちょっとお手伝いをした程度の感覚でしたが、本当に来て良かったと実感できる瞬間でした。

ここの理髪店の主人は自衛官で、地震直後から被災地での活動のため何日も家に戻れない状況が続いているそうです。奥さんがおっしゃっていたのは、「自衛隊は公共の施設でしか活動出来ないので、個人宅はボランティアに頼るしかないんです。」とのこと。つまり、ボランティアが減ると、個人宅の復旧がそれだけ遅れてしまうのです。どの家も冬までには復旧したいはずなのに・・・。

震災から100日がたちますが、一見して手つかずの家が半分くらいあります。復旧が進んでいる家でも、まだ床の工事をしている状況です。テレビでは跡形もなく流された家がよく報じられていますが、その何倍もの家が一階が天井近くまで浸水し、住めない状態が続いています。街は復旧しているように見えても、個人宅はとても半年くらいで片付くような状況ではありません。まだまだボランティアの力が必要なのです。

今回、ボランティアの体制について関心したことがたくさんありましたので、それも書き加えておきたいと思います。東京都大田区が実施している災害支援ボランティアは東松島市に長期的に活動を続ける方法をとっています。この方が地元のボランティアと連携がうまくいき、住民からの信頼を得やすい利点があります。「大田区さんなら安心して頼める」と。

また、費用ですが3泊4日で参加費は3000円。交通費無料。食事も初日以外3食付。なんでこんなに安いのか?被災地まで往復の大型バスは大田区に本社を置くKM観光さんが提供してくれています。宿はホテル浦嶋荘が復興のためならと、一人一泊1000円で大部屋を提供してくれています。女性の方には別の部屋も用意。カップ麺や非常用クラッカーなどの食事は大田区内の商店街が提供。

また、東松島市のボランティアには地元の人たちが私有地の車庫や庭をボランティア活動の拠点として提供してくれています。そして大田区はショベル、一輪車、土のう袋数千枚、など作業に必要な資材を提供しています。このように多くの人たちの協力があってボランティア活動が実現しているのだと、初めて知りました。

私が参加した大田区の被災地支援ボランティアの詳細は下記のリンク。
残念ながら参加資格は大田区在住・在勤ですが、例外的に経験者と同伴なら、区外の人でも参加できるそうです。そこは、その人の善意を無駄にしたくないとの心遣いから認めているようです。

●東京都大田区 被災地・被災者支援情報
http://www.city.ota.tokyo.jp/shinsai/shien/genchi/volunteerbosyu/index.html

2011年6月23日
第8期 飯田健司
beefjerky@ybb.ne.jp



>>> 【石巻レポート】掲示板へ